いま知っておきたい『輝度比』って一体なに? 2022. 01. 20

みなさんは 『輝度比(きどひ)』という言葉を耳にしたことは、ありますか?
じつはこの言葉、床タイルを選定する際に、知っておくべき設計ポイントの一つなんです。

床に様々な色のタイルが張られている風景は、健常者にとって日常生活の中ではあまりに当たり前の光景です。

しかし、 残された視力を頼りに生活するロービジョンの人々にとってはどうでしょうか?
街中を安心して行動するには、タイルの視認性(=目で見たときの確認のしやすさ)はとても大切なことなのです。

今回はその視認性と関わりのある、『輝度比』について学んでいきたいと思います。

そもそも『輝度』ってなに?

『輝度』とは、歩行する床面 (ここではタイル)の明るさの量と考えるとわかりやすいですね。歩行する床面となるタイル同士の明暗のコントラストが『輝度比』となります。

 認識しやすくするための配慮 = 輝度比を高めること

といったように、視認性と輝度比はつながりがあるのです。

階段・傾斜路(スロープ)の視認性

階段や傾斜路(スロープ)は高いところと低いところの差があるため、つまずきや転落が起こりやすいです。
とくに、蹴上と踏面が同じ色でコントラストがない階段は、 段差があるようには見えづらく非常に危険です。

蹴上と踏面の色にコントラストをつけていると、段差に気付くことができて安心です。

こちらの2枚の写真を見比べてみてください。
段差により気付きやすいのは、コントラストがついている=輝度比が高いほう(右側:輝度比 3.0)の写真ですよね。

視覚障害者用誘導ブロックの視認性

輝度比が高くなるにつれて識別しやすくなるので、
各自治体では、誘導ブロックの色合いや、隣り合う素材の輝度比の数値を「整備指針」などで言及している場合もあります。

わたしたちLIXILグループでは、
取り扱っている床タイルの輝度比データをご提供できるよう、準備を整えています。

今回は床タイル「BASAMO(バサーモ)」の輝度比を一例としてお見せしていきますね。

例)BASAMOの輝度比

BASAMOのカラーバリエーション

カラーの組み合わせと『輝度比』の例

誘導表示ブロックとの組み合わせと『輝度比』の例

こちらのBASAMO以外にも、
弊社では国産・輸入材に限らず、取り扱うすべてのGRIPタイルの輝度比を整備しています。

求められる輝度比に沿ったタイルのご提案も、突然の数値データ提供も対応が可能ですので、
お困りの際はぜひ一度ご相談ください!

さいごに

輝度の測定でよく見かける間違いについて、ちょっとだけご紹介します。

タイル以外の床材との貼り合わせの際に、 同じ条件での測定結果を得ることができず、
輝度比の数値が出せなくてお困りになっているケースをよく見かけます。

実はこれ、よくありがちな間違いなのですが、
それぞれの素材メーカーに輝度を求めて輝度比を計算するのではなく、
輝度の測定は各素材をすべて同じ環境下で実施する必要があるのです。

このような場面では、一方の素材メーカーで同じ環境にて、輝度の計測を実施することが適切です。
現物をご準備のうえ、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

今回ご紹介した『輝度比』についてもっと知りたい方や、
その他タイルに関するお困りごとやお悩みがありましたら、
下記の問い合わせフォームまたは担当の営業スタッフまで、ご連絡をお待ちしております!