5分でわかる!壁へのタイル施工法(内壁) ~大型タイル~ 2024. 02. 15
内装壁にタイルを採用したいけど、
「石膏ボードに大型タイルを貼っていいのかな?」
「大型タイルを接着剤だけで貼って大丈夫かな?」
「どのくらいまでの高さまで貼っていいのかな?」などと思った事はありませんか?
今回の記事では、内装壁へのタイル施工に大型タイルを採用する前に必ず頭に入れておくべき「壁タイルの施工法(内壁)」をわかりやすく解説します。
5分ほどで読み終わる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
【目次】
1.「タイルの大きさ」と「施工する高さ」で壁タイルの施工法が決まる!
「タイルの大きさ」と「施工する高さ」で施工法が決まり、施工法によって使う接着剤の種類が異なります。
また「接着剤だけで施工する」のか、「接着剤と金具を併用する」のか等も決まってきます。
一般的に、大きいタイルの場合は硬化が早い接着剤を使用して、高い場所に施工する場合は金具を併用することになります。
万が一の事態に備えるために、壁へのタイル施工法は慎重に選びましょう。
下の表は、施工高さが【3m未満】の場所に大型タイルを施工する場合の施工法を示した表です。
タイルが大きくなると、タイルの重さで接着剤が固まる前にタイルが垂れる心配があるので、
L型の受け金具(FA-L工法)で荷重を支えることをお勧めしています。
施工高さ【3m未満】
施工法 | 大型タイル | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
300㎜角以下 150×600㎜角以下 |
900㎝²超 ~450㎜角以下 |
450㎜角超 ~800㎜角以下 |
800㎜角超 ~750×1500㎜角以下 |
|||
裏足2㎜未満 | 裏足2㎜以上 | |||||
接着剤張り工法 | 全面接着剤張り | ○ | ○ | |||
両面塗布全面接着張り | ○ | |||||
点付け工法 | ○ | ○ | ○ | |||
部分弾性接着剤張り工法(FA-L工法) | ○ | ○ | ○ | |||
金具併用部分弾性接着剤張り工法(FA-S工法) | ○ | ○ | ○ |
続いて、下の表は施工高さが【3m以上】の場所に大型タイルを施工する場合の施工法を示した表です。
高い場所にタイルを施工すると、タイルが落下した場合、歩行者に当たるなど大きな事故につながります。
そのため、タイルが万が一剥がれてしまった場合にもタイルが落下しないように、タイル裏面に巻きバネを取り付ける工法(FA-S工法)をお勧めしています。
施工高さ【3m以上】
施工法 | 大型タイル | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
300㎜角以下 150×600㎜角以下 |
900㎝²超 ~450㎜角以下 |
450㎜角超 ~800㎜角以下 |
800㎜角超 ~750×1500㎜角以下 |
|||
裏足2㎜未満 | 裏足2㎜以上 | |||||
接着剤張り工法 | 全面着剤張り | ○ | ||||
両面塗布全面接着張り | ○ | |||||
点付け工法 | ○ | |||||
部分弾性接着剤張り工法(FA-L工法) | ||||||
金具併用部分弾性接着剤張り工法(FA-S工法) | ○ | ○ | ○ |
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2.壁タイルの施工法(内壁)のご紹介
■接着剤張り工法
内装壁面に接着剤のみで施工する工法です。
3m未満の高さの壁に300×600角や600角程度の大きさのタイルに適しています。
タイルの裏足が2mm以上の場合は「両面塗布全面接着張り」「点付け施工」を推奨します。
施工法 | 施工概要 | 接着剤の種類 | |
---|---|---|---|
全面接着剤張り | くし目ゴテで下地全面に接着剤を塗布してタイルをしっかりと揉み込むように張り付ける工法 | 乾燥下地 (間欠的に水、温水の影響を受ける) |
アクリルエマルジョン系接着剤 |
湿っている下地 (長期間に水、温水の影響を受ける) |
エポキシ系接着剤 | ||
両面塗布全面接着剤張り | 下地面に加えて、タイル裏面にも接着剤を塗布して張り付ける工法 タイルの裏足高さが2mm以上ある場合の推奨工法 |
エポキシ系接着剤 | |
点付け施工 | タイル裏面に接着剤を点状に塗り付け、下地面にしっかりと揉み込むように押さえて張り付ける工法 | エポキシ系接着剤 |
※施工上の注意点は、「LIXIL 大型タイル 設計・施工マニュアル」をご覧ください。
【接着剤張り工法イメージ】
【施工条件】
高さ制限 | 面積が900㎠以下のタイル | 高さ制限なし |
---|---|---|
面積が900㎠を超えるタイル | 3ⅿ未満 | |
タイルサイズ | 全面接着張り・両面塗布全面接着剤張り | 450×450mm角以下 |
ボード下地 | ||
点付け施工 | 800mm角以下 | |
目地幅 | 3mm以上 | |
仕上り寸法 | 全面接着剤張り | タイル厚さ+1~2mm |
点付け施工 | タイル厚さ+3mm以内 |
【ボード下地の場合】
- 胴縁の間隔は、455mm以下としてください。
- ボ-ド継ぎ目は突付けとします。
- ボ-ドのビス留め間隔は、120~150mmとし、ビス頭がボ-ド面より出ないようにして ください。
- 壁面に器具類がつく場合、取付け位置には必ず胴縁を配してください。
下地の種類 | 留意点 | タイル厚さ | ||
---|---|---|---|---|
15㎜以下 | 15㎜超 | |||
ボード下地 | デラクリートボード | - | ○ | ○ |
合板 | 1類以上、厚さ9.5mm以上 | ○ | ○ | |
ケイ酸カルシウム板 | 比重1.0、厚さ6.0mm以上 | ○ | ○ | |
石膏ボード | 9.5mm以上 | ○ | - |
【モルタル下地の場合】
- 表面の仕上げは、金ゴテ仕上げとします。
- モルタル下地の浮き・亀裂・不陸がないことを確認してください。
■部分弾性接着剤張り工法(FA-L工法)
タイルに挙動性の高い弾性接着剤をビート状または点状に塗布して押し付けて張り付ける工法です。
スペーサーと固定した荷重受け金物で積上げながら張り付けます。
3m未満の高さの壁に600角や600×1200角などの大型タイルを施工する場合に適した工法です。
施工法 | 接着剤の塗布方法 | 接着剤の厚さと選定ポイント |
---|---|---|
ビート状施工 | 接着剤をタイル裏面に150mm以下ピッチでビード状に塗布し、 下地面にしっかり揉みこむように張り付けます。 |
「±2mm/2m以内」の下地精度のもと、 (屋内)約2mm~3mm、(屋外)3mm~7mmの範囲で調整できます |
点付け施工 | 接着剤をタイル裏面に180mm程度の間隔をあけて点状に塗布し、 下地面にしっかり揉みこむように張り付けます。 |
下地精度のバラつきを吸収し、接着剤の厚さを3mm~20mmの 広い範囲で調整できることがポイントです |
※施工材料や施工上の注意点は、「LIXIL 大形タイル 設計・施工マニュアル」をご覧ください。
【FA-L工法(ビート状施工)イメージ】
※点状施工については、
「INAX 大形タイル 金具併用部分弾性接着剤張り工法FA-S工法(点状施工) 部分弾性接着剤張り工法 FA-L(点状施工)施工マニュアル」をご覧ください。
【施工条件】
高さ制限 | 3m未満 | |
---|---|---|
タイルサイズ | 押出成形セメント板・ALCパネル | 600角以下 |
その他下地 | 750×1500mm角以下 | |
目地幅 | 3mm以上 | |
仕上り寸法 | ビート状施工 | タイル厚さ+2~3mm |
点付け施工 | タイル厚さ+3~20mm |
【下地の選定】
下地の種類 | 留意点 | タイル厚さ | ||
---|---|---|---|---|
15㎜以下 | 15㎜超 | |||
ボード下地 | デラクリートボード | - | ○ | ○ |
合板 | 1類以上、厚さ9.5mm以上 | ○ | ○ | |
ケイ酸カルシウム板 | 比重1.0、厚さ6.0mm以上 | ○ | ○ | |
石膏ボード | 9.5mm以上 | ○ | - | |
モルタル下地 | コンクリート コンクリートブロック |
・モルタルにて不陸調整を行います。 ・下地精度は±2mm/2m以内としてください。 |
||
ALCパネル | ・100mm厚以上としてください。 ・パネルの表面には必ずポリマーセメントモルタルで下こすりを行ってください。 ・パネルジョイントに跨って張らないでください。 ・ビスはALC専用ビス「アリンコ」(4×50mmフラット)を使用してください。 |
|||
押出成形セメント板 ※㈱ノザワ アスロックに限ります |
・60mm厚以上でフラット面としてください。 ・パネルジョイントに跨って張らないでください。 ・ビスは、アメラスクリュー(サンコーテクノ製) AMC-433SD(SUS304,Φ4×33mm)をご用意ください。 専用キリが同梱されています。 |
おすすめの大型タイル(600×1200角)
「BOOST STONE(ブーストストーン)」
ライムストーンの自然な美しさを最大限に引き出したブーストストーン。都会的なインテリア、エクステリアに静かに調和します。
インドアとアウトドア、それぞれに適した2つのテクスチャ。洗練されたデザインと機能が、さまざまな空間シーンへの調和を可能にしました。
「MB3(エムビースリー)」
石目模様の多彩なパターンがハイセンスな空間に溶け込む。「MB」はMont Blancというアフリカ原産のクウォーツ石モンブランを
オリジナルモチーフに優しく輝くベイン(流れ模様)を最先端の技術で見事に再現。
「MONTPELLIER(モンペリエ)」
フランス南部で採石されるシルバーグレーからホワイトグレーのクラシックライムストーン。 オリジナルは古くから建物の仕上げ材としては勿論、
カウンタートップから彫刻まで幅広く使われ、その表情からは経年変化により浸食された遥かなる時の痕跡と上品で優雅な印象がうかがえます。
モンペリエシリーズはこの柔らかでやさしい表情を最新の施釉技術で見事に再現したセラミックタイルです。
■金具併用部分弾性接着剤張り工法(FA-S工法)
タイルに挙動性の高い弾性接着剤をビート状または点状に塗布して押し付けて張り付ける工法です。
スペーサーを介して積上げ、万が一の剥落防止処置として、引き金物で構造体に緊結します。
3ⅿ以上の高さの壁に600角や600×1200角を施工する場合に適した工法です。
施工法 | 接着剤の塗布方法 | 接着剤の厚さと選定ポイント |
---|---|---|
ビート状施工 | 接着剤をタイル裏面に150mm以下ピッチでビード状に塗布し、 下地面にしっかり揉みこむように張り付けます。 |
「±2mm/2m以内」の下地精度のもと、 (屋内)約2mm~3mm、(屋外)3mm~7mmの範囲で調整できます |
点付け施工 | 接着剤をタイル裏面に180mm程度の間隔をあけて点状に塗布し、 下地面にしっかり揉みこむように張り付けます。 |
下地精度のバラつきを吸収し、接着剤の厚さを3mm~20mmの 広い範囲で調整できることがポイントです |
※施工材料や施工上の注意点は、「LIXIL 大形タイル 設計・施工マニュアル」をご覧ください。
【FA-S工法(ビート状施工)イメージ】
※点状施工については、
「INAX 大形タイル 金具併用部分弾性接着剤張り工法FA-S工法(点状施工) 部分弾性接着剤張り工法 FA-L(点状施工)施工マニュアル」をご覧ください。
【施工条件】
高さ制限 | なし(ただし押出成形セメント板下地は13ⅿ以下) | |
---|---|---|
タイルサイズ | 押出成形セメント板・ALCパネル | 600角以下 |
その他下地 | 750×1500mm角以下 | |
タイル厚さ | 8mm以上 | |
目地幅 | 5~10mm以上 | |
仕上り寸法 | ビート状施工 | タイル厚さ+2~3mm |
点付け施工 | タイル厚さ+3~20mm |
【下地の選定】
下地の種類 | 留意点 | タイル厚さ | ||
---|---|---|---|---|
15㎜以下 | 15㎜超 | |||
ボード下地 | デラクリートボード | - | ○ | ○ |
合板 | 1類以上、厚さ9.5mm以上 | ○ | ○ | |
ケイ酸カルシウム板 | 比重1.0、厚さ6.0mm以上 | ○ | ○ | |
石膏ボード | 9.5mm以上 | ○ | - | |
モルタル下地 | コンクリート コンクリートブロック |
・モルタルにて不陸調整を行います。 ・下地精度は±2mm/2m以内としてください。 |
||
ALCパネル | ・100mm厚以上としてください。 ・パネルの表面には必ずポリマーセメントモルタルで下こすりを行ってください。 ・パネルジョイントに跨って張らないでください。 ・ビスはALC専用ビス「アリンコ」(4×50mmフラット)を使用してください。 |
|||
押出成形セメント板 ※㈱ノザワ アスロックに限ります |
・60mm厚以上でフラット面としてください。 ・パネルジョイントに跨って張らないでください。 ・巻きバネもパネルジョイントに跨ってビス留めしないでください。 ・ビスは、アメラスクリュー(サンコーテクノ製) AMC-433SD(SUS304,Φ4×33mm)をご用意ください。 専用キリが同梱されています。 |
3.大型タイルの最新トレンド
前回の「 5分でわかる!床タイルの貼り方 ~大型タイル~ 」に続いて、2回にわたり、大型タイルの施工についてご紹介してきました。
最後に、この春発売予定の注目の大型タイルについてご紹介します!
2024年春 発売予定「DRIPART」
時間の経過とともに変化する金属の表情を巧みに捉えたドリップアートは、
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繊細且つダイナミックな柄感と鈍い光沢感を纏った600×1200サイズの大型メタルシリーズのデビューを、ぜひ楽しみにお待ちください。
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ダイナワンでは、今回の記事でご紹介した内容に限らず、タイルに関するお悩み・お困りごとがございましたら、
営業担当または下記のフォームまでお問合せをお待ちしております。