タイルの納まりについて(壁編) 2023. 02. 16

よく練られた納まりについて、「納まりがよい」と言われ、
考え方が十分でなく、練り込みが足りない納まりは「納まりが悪い」と言われます。
今回は、壁タイルにおいて「納まりがよい」を実現するための代表的な方法を紹介します。 →床タイル編はこちら

<目次>
1.見え掛かりの納まりとは
2.納まりの部位
3.
出隅の納まり事例
4.出隅タイル加工

1.見え掛かりの納まりとは

見え掛りの納まりには、「目線から近い納まり」と「目線から遠い納まり」があります。
それぞれの特徴は以下となります。

目線から近い納まり

目線から遠い納まり

2.納まりの部位

【出隅】

壁と壁の交差が出っ張る部位を「出隅」と呼びます。

室内壁面の角の凸にあたる部位で、廊下の曲がり角がそれにあたります。
内壁の出隅は人が日常的に触れるところです。そのため、人が触って汚れることや、台車等、物がぶつかって角が欠けてしまう恐れがあります。
また、出隅の角が人や物を傷つけてしまう可能性もあるので注意が必要です。

【入隅】

壁と壁の交差が引っ込む部位を「入隅」と呼びます。

入隅は壁面と壁面が出会った凹の部位なので、条件によっては作業スペースが確保しにくく、綺麗に仕上げることが難しいです。
建物の動きの影響を受けやすく、クラックを防ぐために凹目地は応力を緩和させるよう、シーリングを使うことがあります。

【異なる仕上げ材が隣り合う納まり】

クロス張りとタイル張り等、 厚みの異なる仕上げ材が同一面上にある場合などが該当します。
仕上げ材料が違えば下地や張付け材が異なり、仕上がり厚もそれぞれ違う場合があります。
仕上げ面を面一にしようとすると、下地のほうで仕上げ面の段差を調整する納め方を考える必要があります。
ただし、壁面の場合は、床面と違い、多少の段差があっても足が引っかかるといったような心配はありません。
そのため仕上げ材の厚みが異なっても、下地のレベルを同一面のままで納めてしまうこともあります。
この場合は、仕上げ材の厚みの差の分だけ、隣り合う表面が凹凸になります。その際は見切り材を挟み、目線を切ることで納めることがあります。

3.出隅の納まり事例

内装・外装を問わず、タイル張りにおいて、頭を悩ます端部の納まり。 
ひと昔前までは、メーカーカタログには、出隅用の『曲がり』や『屏風曲がり』と言った役物形状が、ところ狭しと掲載されていました。
近年、役物の準備のない輸入品の利用頻度が多くなったこと、またタイルの大型化により、そもそも役物品番がない製品も多くなっています。
輸入タイルと国産タイル、大型タイルと小型タイル等、タイルの種類によってタイル小口の見え方は様々です。
ここでは、お問い合わせやご相談の多い、大型タイルの出隅処理を中心にご紹介いたします。

【見切り材×輸入大型タイル】

接着役物

【勝ち負け】

施釉品

施釉+カラーボディ(有色素地)

施釉+小口塗装

無釉タイル

トメ加工(小段)

トメ加工(小段)+シーリング

トメ加工(小段)

【石材ボーダー編】

納め方が難しい「石材ボーダー」についてもご紹介します。

勝ち負け

見切り材

トメ加工(小段)

トメ加工(コバ面取り)

4.出隅タイル加工について

①勝ち負け(2mm面取り・コバ磨き仕上げ)

②トメ加工(小段 3mm残し)

③トメ加工(コバ3mm面取り)

おわりに

今回は、壁タイルの「納まり」や「加工」についてご紹介させていただきました。
出隅を美しく見せる為の接着加工にも様々なバリエーションがあります。いかがでしたか?
DINAONEのスペシャルコンテンツでは、設計者やデザイナーの皆さまのお仕事に役立てていただけるよう、
タイルに関する記事を掲載しております。ぜひ今回の記事とあわせてご覧ください。

また、加工や納まりのことに限らずタイルに関するお悩み・お困りごとがございましたら、
お気軽に担当の営業スタッフまたは WEBサイト内の問合せフォーム よりご相談ください。お待ちしております!