特殊な場所でのタイル施工 2021. 02. 25
このタイル業界では、皆さんからの問合せの尽きない『ある ある』 があります。
そんな中から、知っておくと便利なものを皆さんにご紹介していきます。
今回は、特殊な場所でのタイル施工についてです。
暖炉へのタイル施工
よくあるご相談の中に、暖炉廻りのタイル張りがあります。
その場合、「暖炉」と言っても 煙突からサンタさんが登場するようなものではなく、その多くは据え置き型の暖炉に纏わるものです。
暖炉まわりにタイル張りを行う場合、主に接着剤でタイルを張付けます。
実際に薪を燃やす暖炉内部は高温となるため、タイル張りはできません。
これは接着剤の接着性能を適切に維持できる温度が約60℃が目安だからです。
据え置き型の暖炉の周囲にタイルを張る場合は、暖炉と壁に少し距離をとり、壁面温度が60℃以下になるようにすることがポイントです。
(もちろん、下地がRCであれば、モルタル施工(タイルは裏足があること)でも構いません。)
コンロとコンロ前壁面の距離感をイメージいただくと、わかりやすいですね。
サンタさんが登場する暖炉の場合は、レンガ積みが基本となります。
◆応用編(サウナ室へのタイル施工)
同じく高温箇所への施工でサウナについてご紹介します。
サウナには多くの種類がありますが、壁面にタイル張りが実施されるのは、
ドライサウナ(熱気浴)と スチームサウナ(蒸気浴)の2通りです。
◇ドライサウナの場合
室温は100~110℃程度であり、壁面温度も長時間、この温度が続きます。
もうお分かりかと思いますが、モルタル系張付け材で施工することになります。
裏足形状が『あり状』のタイルとし、内装タイル等の裏足が『あり状』ではないタイルは使用しません。
目地についても、モルタル目地を使用してください。
◇スチームサウナの場合
室温は40~60℃程度であり、湿度は100%に近い条件になります。
モルタル施工であれば、もちろんOK ですが、ドライサウナほどには高温にならないことから、耐水性のある有機接着剤を使用することも可能 となりますので、
裏足についても、『あり状』にこだわることもなく内装タイル等の使用も可能となり、タイルの選択肢は広がります。
◇おまけ1
皆さんはスペースシャトルの外皮にはセラミックが使用されていることを耳にしたことがありませんか?
大気圏突入にも耐えられる断熱性タイルが使用されていることは有名な話です。
では、このセラミックは、どのように張り付けられているかというと、実は接着剤が使用されています。
これは特別な調合の接着剤で耐熱性に優れたものが研究開発され、使用されているそうです。
◇おまけ2
ピザ窯にタイルが貼られていたような記憶がある方!
カーブを描いた窯の内外にカラフルなクラッシュタイルが施工されたピザ窯を想像するでしょう。
これは、タイル張りというより、モルタル面にタイルを埋め込んだというのが正しいのでしょうね。
次回は、曲面へのタイル施工についてご紹介します。