知っていると差がつく!目地材のバリエーション「カラー目地」 2022. 10. 20

スペシャルコンテンツで特集するのは今回で3度目となる "タイル目地" についてのご紹介です。

タイルとは切り離すことのできない "目地"。
これまで『目地幅』『目地材の選定方法』にポイントを絞ってご紹介してきましたが、
今回は知って得する目地材のバリエーションとして、意外と知られていない『カラー目地』についてご紹介したいと思います!

カラー目地(イメージ)

それぞれのライフスタイルや趣味に合わせた、デザイン・カラーの輸入タイルが手に入る昨今。
せっかく巡り合った素敵なタイルで、自慢のキッチンや水廻り・内装を仕上げたのに、
「選定した目地色や目地幅のせいで、思わぬ結果となってしまった…」なんてケースをよく耳にします。
またその逆で、
「デザイナーや設計者が選んでくれた目地材によって、より自慢のタイルが引き立った!」といった声を聞くことも。

今回は、目地専門メーカー 二瀬窯業株式会社の山田所長にもご参加いただき、
スペシャリスト視点での【目地の注意点やポイント】 についてお聞きした内容もあわせてご紹介していきます!

タイルの目地面積と見た目の印象

まずは、目地面積や目地色によって変わる、タイルの見え方についてです。
25mm角(目地幅2mm)のモザイクタイルの場合、タイル1枚あたりに占める目地の割合は15%程度です。
50mm角(目地幅5mm)だと、19%程度を占めることに。
一方、れんがサイズのタイルだと、9%程度の割合になっています。

目地幅の違い

50mm角タイル(目地幅3mm

50mm角タイル(目地幅5mm

目地色の違い

60×240mm角タイル
AROMA ビアンコ

たとえ同じ色のタイルでも、タイルサイズや目地幅・目地色が違うだけで、タイルの見え方や印象ってだいぶ変わってくるものなのです。

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カタログイメージ

カラー目地による組み合わせ

近年では、イタリアンカラーのタイル等も続々と登場していますが、案外とマッチした目地材で苦労されるケースが多いのではないでしょうか?
ネットで見かけた海外の施工例の様に、タイルと共色の目地材で細目地仕上げができたら、どれだけ素敵な空間になるだろう?
そんな想像を抱くことって多いですよね。

今回は代表的なタイルカラーと、いくつかのカラー目地の相性を、
一般的なセメント目地と比較して試してみましたので、ぜひ目地色の選定に役立ててみてください。

カラータイル×カラー目地

AROMA タバッコ)  

AROMA ベルデ)  

AROMA ローザ)  

AROMA トゥルケーゼ)  

AROMA ブルー)  

今回使用したカラータイル「AROMA(アロマ)」

2022年度発売の新商品。
デザイン、食、芸術、そしてライフスタイルまで様々な文化をリードするイタリア。
そんなイタリアの魅力を思いっきり詰め込んだ、日々の暮らしをスローで華やかに彩るアロマ。
眺めているとなぜか嬉しくなるタイルです 。

カラー目地の注意点やポイントは?

知っていると差がつく豆知識①「カラー目地の種類」

近年のカラー目地には、【セメント目地】【アクリル目地】という2つの種類があります。

【セメント目地】:皆さんが良く知るセメントと骨材が主成分の目地材です。
【アクリル目地】:アクリルエマルションと骨材から成る最近流行りの目地材です。

LIXIL製:インテリアカラー目地
アクリル系のカラー目地は、セメント目地に生じやすい色ムラ・色褪せが発生しにくい、高性能のカラー目地です。
セメント目地に比べ、使用するタイルの材質(陶器質等の吸水性の高い材質)によっては、目地の水分がタイルに引っ張られてしまい、
目地切れ等を起こすことがあったり、施工が伸びない等、取り扱いに注意点もありますが、
色のトーンがダークトーンなので、様々な色味に合わせやすく、なかなか気の利いたカラー目地です。

◆ 二瀬窯業製:カラー目地
セメント目地は、アクリル系の目地に比べ、使用環境によって、目地の色ムラが生じるケースがありますが、
その反面、素朴な風合いが逆にクラフト感あるタイルを引き立ててくれるケースもあります。
また人工的な質感のアクリル目地より、セメント系の質感に安心感を覚える方も多くいらっしゃいます。
吸水性の高い欧州の輸入タイルにも利用が可能で、タイルの材質に制約を受けない点は嬉しい限りです。
セメントのグレイッシュな色を想像しがちですが、発色も鮮やかで是非試していただきたいカラー目地です。

知っていると差がつく豆知識②「正しい目地色に仕上げるためには」

目地のスペシャリスト、二瀬窯業株式会社の山田所長に【目地の発色に大切なポイント】のお話を伺いました!

“ セメント目地を使用した現場で、『見本張りで確認した目地色と、実際の現場で施工された目地色が異なって感じる』ことってありませんか?
これは、皆さんの勘違いではなく、目地色が使用環境・施工環境の違いで実際に異なっている事が考えられます。
主な原因として、詰めた目地が乾燥する過程(時間)の違いが挙げられます。

雨の日や冬場に目地の乾燥が進まない場合と、夏場や風通しの良い環境で目地の乾燥がスムーズな場合とで、
同じ目地材を用いても、発色具合に違いが出ることがあります。
乾燥が悪い場合や、特に内装工事等で酸洗いができない場合、一次白華による膜が目地表面に残ることから、淡い色味になってしまうのです。

目地詰めは 「日を跨がずに、一気に詰め切ってしまうこと」「雨の日は避けること」が発色には大切になってきます。”

知っていると差がつく豆知識③「仕上げの一工夫」

近年では、ガラスモザイク等、美しい光沢感を特長とする材料も多く、目地にも一工夫したい!なんてこともあります。
目地への添加剤として、『ラメをちょい足しする』といった仕上げ方もありますので、ぜひチャレンジしてみてください。

詳細情報や目地材ラインナップについては、LIXIL デジタルカタログ で確認いただけます。

カラー目地の施工イメージ

最後に、カラー目地を使用した空間イメージをいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

商品名:AROMA(アロマ)
商品名:HIGHLAND(ハイランド)
商品名:LEGACY(レガシー)

まとめ

タイルを活かすも殺すも『 目地 』。
そんな言葉があるほど、目地の選定って大切なものです。
今回の記事でご紹介したLIXIL製カラー目地、二瀬窯業製カラー目地の他にも、数多くの目地材が発売されています。
タイルの選定に時間をかけるように、タイル目地にもぜひ、ひと手間加えてこだわってみてはいかがでしょうか?

こちらの関連記事もご覧いただき、皆さまのお仕事にぜひお役立ていただければと思います。

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