じつは『タイルの目地幅』って、こうやって決めています 2021. 11. 18

「タイルによって、なんで目地幅が違うのかな?」 「もっと目地幅を細くしたいけど、ダメなのかな?」
など、みなさまはこんな疑問をお持ちではありませんか?
今回は『目地幅』にポイントを絞ってご紹介したいと思います。

タイル仕上げの出来栄えを左右する重要なポイントに 目地通り が挙げられます。
ダイナワンではタイルを美しく貼っていただくために、 商品ごとに推奨目地幅を決めています。

目地幅を決めるにあたって、着目するポイントはこちらの2つです。
【1】タイルの製法
【2】製品のデザイン特性

詳しく説明していきますね。

【1】タイルの製法

「乾燥収縮」「焼き締まる」なんて言葉を耳にしたことはありませんか?
タイルやレンガなどの焼きものは、生地を乾燥・焼成させる工程で、
(製法による違いはありますが)大きなもので11~13%くらいサイズが縮むのです!
ここでは実際の商品を例に、どのようにタイルの目地幅を決めているのか見ていきましょう。

◆レクティファイ商品=推奨目地幅『3mm以上』

【レクティファイ商品とは?】
大形の輸入タイルならではの仕上げが施された商品です。
タイルを焼き上げた後、狙ったサイズに4辺を削って寸法を整える加工を レクティファイド といいます。
タイルの側面をよく見ると削った痕が薄っすらと確認できますよ。
最終仕上げを行なうので タイルの収縮の影響がなく、寸法公差が極めて少ないのです。
そのため、大判タイルでも3mmの目地幅を推奨しています。

ちなみにDINAONEのカタログとHPでは、「レクティファイ商品」と「推奨目地幅」はそれぞれこのようなアイコンで表示しています。

カタログ

HP(商品詳細ページ)

ALPS(アルプス)】推奨目地幅3mm以上
アルプスは600×1200角という大判タイル。側面のエッジ部分を削って寸法精度を高めているレクティファイ商品です。
石材の仕上がりのように、目地幅を3mmで施工することが可能です。

ALPS 施工イメージ

◆ノンレクティファイ商品=推奨目地幅『5~10mm以上』

【ノンレクティファイ商品とは?】
タイルを成形し焼き上げたままが仕上がりの状態となります。
焼き物の風合いを感じられるその一方で、
焼き上げる過程での生地の収縮の影響をそのまま受けるので、寸法誤差がそのままタイル寸法に反映されます。
きれいに張るためには、タイルの寸法バラツキに応じた広めの目地幅が必要です。

DALLES(ダレス)】推奨目地幅8mm以上
ダレスはアンティーク感を表現するために、タイルの側面部分をラフエッジに仕上げています。
±2mm程度の寸法誤差、また不揃いなタイル側面同士が隣り合っても目地が通るように、推奨目地幅を8mm以上に設定しています。

DALESS 側面部分
DALESS 張り合わせイメージ

OLD COTTO(オールド コット)】推奨目地幅5mm以上
オールドコットは使い込まれたテラコッタ風のタイル。
テラコッタの使い込まれた風合い表現するために、エッジ部分は丸みを帯びています。

OLD COTTO 施工イメージ

【2】 製品のデザイン特性

タイルには本当にたくさんのデザイン(質感、面状、サイズ)がありますよね。
個性的な製品の魅力が一番活きるように目地幅を決めるのも、1つのポイントです。

SY BORDER(エスワイボーダー) 】 推奨目地幅2mm以上
SYボーダーはタイル一本一本の「表面の角度を揃えないこと」、「目地を詰めないこと」、「目地を通さないこと」で不規則な凹凸感を演出。
あえて目地を通さないことでより魅力を際立たせるような製品もあるのです。
その背景には、「製品の実力値としてタイル四辺の仕上げ工程がなくても、±1mm程度の寸法バラツキで製造が可能である」という
当国産工場ならではの高い製造技術の裏付けがあるからこそなのです!

SY BORDER 張り合わせイメージ
SY BORDER 接写

目地を魅せる工夫って?

焼きものは、焼くことでサイズがバラつくだけでなく、バナナのように反ってしまうことがあります。
長さが長くなればなるほど、幅が狭くなればなるほど、その傾向が強くなります。
特にレンガタイルのように押出成形で成形されるタイルは、反りの傾向が出やすいです。
その特性を考えずに細目地で壁に張ってしまうと、目地がガタガタになり見栄えが悪くなってしまうことがあります。
そのような製品は、目地がきれいに通るように 10mm以上の広めの目地幅 をおススメしています。

TRAD(トラッド) 】 推奨目地幅10mm以上

TRAD 横目地・縦目地ともに10mm

「目地幅10mmか~、もっと目地幅を細くしたいけど、ダメなのかな?」って思いますよね。
実は全てダメなわけではありません。ここでちょっとした工夫をご紹介します。

■ 横目地は、タイルの反りを吸収するために10mm以上を確保
■ 縦目地は、タイル同士がぶつからないくらいの1~2mm程度の隙間を確保
■ 縦の目地通りの影響を受けない乱張りにする

こうすることで横のラインが協調されて、ぐっとシャープな仕上がりになるんです。こんな感じです!

TRAD 横目地10mm・縦目地2mm

そして最後にひとつ、目地幅によって印象が大きく変わる例をご紹介します。

TERRAROSSA BORDER(テラロッサボーダー)
こちらの写真、左側が目地幅12mm、右側が目地幅3mmです。
同じ商品でも、目地幅や目地材が変わるだけで、ずいぶん印象が変わると思いませんか?

目地幅12mm
目地幅3mm

まとめ

ここまで来るとみなさまお分かりのように、
目地には タイル寸法のバラつきを吸収し、タイル張りを美しく見せる という大切な役割があります。

もちろん、目地幅0でタイル同士をくっつけてしまったり、推奨目地幅より極端に細い目地幅にすれば、カッコよく見えると思うかもしれません。
でも「タイルの製造方法」や「製品のデザイン特性」「実力値」を知らずに、目地幅を決めてしまって、仕上りが想像と違うと残念ですよね。
反対に、製造方法や特性を知っていることで、推奨目地幅より目地を細くしたり、目地幅や目地材・目地深さをちょっと工夫することができて、
タイルが別物のように見えることだってあるんです!

実際の現場で目地幅について悩まれている方々に、今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。
目地のことに限らず、タイルに関するお悩み・お困りごとがございましたら、
お気軽に担当の営業スタッフまたは WEBサイト内の問合せフォーム よりご相談ください。

また、過去の記事では『目地材の選定方法』についてもご紹介しております。
ぜひ、今回の記事とあわせて参考にしてみてくださいね。
適切な目地材をパッと素早く効率的に見つける方法
 

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