いぶし瓦風タイルの作られ方 2020. 10. 01
いぶし瓦は、皆さんがよく目にする日本の家の屋根瓦に使用されていることが多いです。
ダイナワンでは、焼き物のコネクションを活かしてそんないぶし瓦をモチーフとした”いぶしタイル”も発売しています。
「和」や「伝統」をテーマにした物件などで多く採用いただいており、ダイナワンの商品の中でも根強い人気商品となっています。
今回は、いぶしをモチーフにした「いぶし瓦風タイル」の作られ方についてご紹介します。
通常の瓦やタイルの作られ方とどう違うのか?など、楽しみながらお読みください!
”いぶしタイル”は、”いぶし瓦”とどう違う?
”いぶし”とは、本来、瓦の製造工程の中で施されるものです。
生地を窯で焼き、冷却段階で炭素をかけて出来上がります。
これが本いぶしです。
(瓦自体の焼成温度はおよそ、1,120℃前後。その後、900℃くらいのところで、いぶしを定着させます。)
▼本いぶしの製法▼
一方、一般的ないぶし風タイルは、タイル工場にいぶしの設備がないので、
一度1,200℃前後で焼成したタイルをいぶし工場に持ち込み、いぶしをかける場合と、
いぶしの風合いに似た釉薬を用い、いぶし調タイルとする場合の2通りがあります。
ダイナワンのいぶし製品は?
ダイナワンでは、和テイストで根強い人気のいぶしシリーズを2つご用意しています。
一つは伝統的な本いぶしの製法で作られた「mini&border(ミニアンドボーダー)」というシリーズ。
もう一つは、最新の釉薬技術でいぶしの鈍い光沢感を表現したいぶし釉をかけることで製作された「Nezu Iro(ネズイロ)」というシリーズです。
本いぶしの特徴 -mini&border-
寺社、仏閣の瓦屋根に使用されるいぶし瓦のように、
長い年月をかけていぶしが徐々に剥がれていく姿を、長きにわたって傍で楽しみたい人におすすめの商品です。
日本の原風景に欠かせないテイストで、流行り廃りがなく、
季節の移り変わりに象徴されるような、新緑の緑から、紅葉の赤、雪の白、どんな色とも相性抜群です。
また本いぶしの醍醐味である”あいじろ”が見られることも特徴です。
”あいじろ”とは、下の写真のように白っぽくなっている部分のことを言い、例えると「青白く、金色にも見える炎芸術」です。
還元焼成による焼き幅では作り出せない、いぶしならではの色合いなのです。
▼〇で囲った場所が”あいじろ”です▼
”あいじろ”の作られ方
冷却時にいぶしを掛けた際、 冷却が進まず高温状態をキープされた場所が、熱でいぶしが飛び青白くなります。
平均24時間ほど、じっくり時間をかけて焼成される、本いぶしならではの特徴です。
こう聞くと、炎の廻りによって自然に生まれるもの?と思われるかもしれませんが、
実は職人の経験、感性で狙っています!
職人の方は、焼き台にタイルを並べる際、タイル同士の間隔、隙間を絶妙にコントールしています。
ランダムに雑然と並べてるわけではないのです!
炎の動きを読み、いぶしが飛ぶ程度の熱がタイルにあたるように積んでいます。
いぶし釉の特徴 -Nezu Iro-
磁器タイルの持つ耐久性により、いぶしの風合いを経年で失うことなく、長期間にわたりその表情を持続させることができます。
季節毎の周辺環境との相性だけでなく、少し近未来的にも見えるメタリックな質感も、タイルにはない魅力の一つです。
また、磁器タイル同様の性能を持つため、敷瓦の様に床面に使用してみたい人にも是非おすすめの商品です。
ダイナワンの商品のNezu Iroは、 外床利用も可能で、 グリップ性・摩耗性ともCSR高分子 0.5以上(参考値)をクリアしています。
▼いぶし釉タイルの製法▼
本いぶしとは異なり、 焼成もRHK(迅速焼成窯)で90分で完了します。
本いぶしの商品発売!
現在のミニ&ボーダーに加え、ヘアライン状のスクラッチが施された、本いぶし商品
「すずいろスクラッチ」が2020年11月にデビューします!
粘土が金型から抜き出される際に、絶妙な感覚で施されるスクラッチが、ヘアラインの表情をより引き立てます。
また上下2枚合わせで成形され、ラインに流れる際の上下の位置関係で、
上部に位置するものは、ヘアラインが際立ち、
下部に位置するものは、素地の自重でヘアラインが軽く潰れが発生します。
ちなみに、 ラインでタイルが抜き出される際、
ヘアラインを作るために釘で引掻いた後に掻き出された粘土の塊を ”わらび”と呼び、
焼き物の良い特性となっています。
▼ヘアラインが施されたタイルが流れる様子▼
★上記動画の補足説明★
このように繊細な表情の違いが生まれることで、
施工した際に色幅だけでなく、光の反射にも変化が生まれることが、新商品の最大の特徴となっています。
事前にカットサンプルのご依頼も受け付けますので、ぜひご覧になってみてください!
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