地球に優しいものづくり-サステナブルなタイルのはなし- 2025. 08. 28

【目次】

【1】タイルを知る

みなさんは、タイルって、何からできているかご存じでしょうか?
すぐに粘土だと思い浮かびますよね。
そう、タイルは国産品、輸入品に限らず、天然の粘土が主原料です。

ただ、この粘土、とりわけ国内産の粘土鉱物の入手が難しくなっていることは、ご存じでしょうか。
粘土は太古からの天然の恵で、まだまだ先の未来まで採掘が可能と思われがちですが、この地球からの贈り物にも、枯渇の心配があるのです。

古きから瓦の原料として、近現代では食器、そしてタイル・煉瓦等、建築資材の原料とされてきました。
とりわけ、日本におけるタイルの位置付けは、人々の暮らしに密接に関わってきました。
大正、昭和を通して、住宅の水回りにおいて内装タイルは衛生的で清潔さの象徴として、欠かせない存在でした。
また、1960年以降、コンクリート躯体を守る耐久性の観点、また高級感を演出する仕上げ材としてオフィスビル、マンションの外装材に
多くのモザイクタイルが使用され、大量生産・大量消費型の代表的な工業製品となりました。

瓦屋根とタイル張りマンションのイメージ

【2】粘土のはなし

粘土は、花崗岩が雨や風にさらされ風化、粒子化し、長い年月をかけ堆積し、地表の土や枯れ葉などと混ざることで粘土層が誕生します。
火山活動が活発で花崗岩に恵まれた日本には良質な粘土層があり、その誕生は、何百万年、何千万年とも言われるほど長く、尊いものなのです。
このような粘土層を中心に、六古窯と呼ばれる伝統的な焼き物の産地が登場します。

国産最大のタイル産地である東濃・瀬戸エリアは太古の昔は湖のため、様々な材料の堆積により木節粘土や蛙目粘土などの良質な粘土層があり、
多くの粘土鉱山にて陶磁器用の粘土が採掘されていました。
筆者がタイルに携わるようになった30年以上も前は、何十もの粘土鉱山がありましたが、「良質な粘土の減少」「採掘コストの増加」「需要の減退」により
採算性も悪化し、現在、このエリアで稼働する粘土鉱山は数える程に減っています。

粘土鉱山
画像提供:丸安

【3】大量生産・大量消費からのマインドチェンジ

岐阜県土岐市に、ユニークな取り組みを実施するタイル製造工場があります。
立風製陶株式会社、創業110年の老舗タイル製造メーカーです。
人と環境に優しい製品づくりを掲げ、中でも「土の循環システム」等、リサイクルには特に力を入れています。

分業化が進むタイル業界では、製造メーカーは、自社の窯条件(焼成条件)にあったタイル素地原料(以下、タイル原料)を
原料メーカーから調達することが一般的です。原料メーカーから提供されるタイル原料は、既に一定の再生材が含まれています。
しかしながら、同社では長年の開発で再生原料利用率100%の原料開発に成功しています。

もちろん、取扱い全てのタイルに、この技術を応用できる訳ではありませんが、一部製品に適用され、
この取り組みはダイナワンの新商品「UPRIGHT(アップライト)」の素地に活かされています。
この特別なレシピの原料には数多くの種類の廃材が使用されており、一般的なタイル原料と比較すると、一度に準備できる量にも制約があります。
従来の大量生産型のモザイクタイルの様な効率的な生産に繋がるものではありませんが、
「必要なときに必要な量だけをつくる」という新しい発想のものづくりでもあります。

【4】再生原料使用率100%への取り組み

元来、タイル原料には、多くの再生材料が使用されており、窯業坏土、陶磁器屑が主なもので、再生材料の比率によって、エコ認定の基準が設定されています。

エコ認定基準

グリーン購入法適合製品 20%以上
エコマーク認定 50%以上

タイルに使用される主な再生原料

再生原料 内容
窯業杯土 粘土等、タイル原料を採取する際に発生する副産物の原料。
陶磁器屑 タイルなど、焼き物の粉砕物。
キラ タイルの原料に使用される珪砂の採取時に副産物として発生する微小珪砂。
採石廃土 コンクリート用骨材を製品化する際に微粉末として産出されるもの。
釉薬汚泥 施釉工程で製造ラインから流れ落ち余剰となった釉薬を乾燥し固めたもの。
下水汚泥焼却灰 各地方自治体の下水処理場で発生する下水汚泥を焼却した灰。
廃棄となったタイル
廃棄となったタイル
陶磁器屑:廃棄となったタイルは粉砕され、再利用される
陶磁器屑:廃棄となったタイルは粉砕され、再利用される
釉薬汚泥:美しい釉薬も余剰分や施釉ブース洗浄水を脱水しタイル原料に再利用される
釉薬汚泥:美しい釉薬も余剰分や施釉ブース洗浄水は脱水しタイル原料に再利用される
キラ粘土:ガラス原料の精製時に発生する
キラ粘土:ガラス原料の精製時に発生する
一般原料と同等の扱いで、製造上も物性値も問題なく開発された再生原料
一般原料と同等の扱いで、製造上も物性値も問題なく開発された再生原料

「どうせ焼いてしまうものだから」、「焼き物は色幅があってこそ、その価値があるから」等、
原料におけるリサイクル率を高めることは、難しい課題ではないと思われがちですが、そのハードルは決して低くはありません。
新たなリサイクル材がほんの1%加わるだけでも、焼成することでタイルの生命線である、色・形状・寸法・強度に大きな影響を及ぼすことがあります。
その為、使用できるリサイクル材の選定や添加量、その材料の品質安定性には細心の注意を払う必要があるのです。

タイルは意匠材(化粧材)というだけでなく、安全性・安定性が必要とされ、JIS、ISOにおいて多くの管理基準が設けられています。
原料のリサイクル率が高いからといって、タイルが持つ「意匠・品質」を損なうことはできないものなのです。

【5】再生原料使用率100%のエコロジカルなタイル「UPRIGHT」とは?

ベストセラー45×2のボーダーモデル。
カラーバリエーションは不動の定番オリベ、コダイアオに加えて、
オールマイティなホワイト、クリーミーなニュアンスがトレンドのブライトカラーをラインナップ。
再生原料使用率100%のエコロジカルなコレクションです。2025年6月発売。

最後に

ダイナワンでは他にも、サステナブルな次世代を担う技術・コンセプトを持つ企業の製品を積極的に採用しています。
今回の記事でご紹介した内容に限らず、タイルに関するご質問やお困りごとがございましたら、
お気軽に担当の営業スタッフまたは WEBサイト内の問合せフォーム よりご相談ください。

また、『DINAONE ONLINE SHOPでは、廃棄を減らし資源を活かしていく取り組みとして、
限定在庫品のタイルを中心にお求めやすい価格(50~90%OFF)でオンライン販売しております。ぜひご利用ください。

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