【寒さに強い!】凍害を回避する水栓&タイルの選び方とは? 2024. 08. 27

株式会社NITTO CERA が運営する水回りのECサイト「ARC-X(アークエックス)」とコラボして、
タイルだけではなく水栓金具に関する寒冷地の対策についてご紹介いたします。

主に寒冷地の水回り空間などで起こりやすい、水栓金具やタイルの凍害トラブルについて、
前回の記事では、「寒冷地とは?」「凍害とは?」といった基礎知識をご説明させていただきました。
さらに今回は、より具体的に「凍害にならないための給水設備・タイル選び」のポイントについてご紹介いたします。

【前回の記事はこちら

【目次】

1.水栓金具の寒冷地に合わせた対策とは

寒冷地に合わせた対策とは

寒さにより水道管が凍って水が使用できなかったり、凍結による膨張で配管や器具が破損するのが水栓金具の凍害です。
水栓金具における凍害を防止する為に『管や装置自体を凍らせない方法』がいくつかあります。

~凍害を防ぐ方法~
①水を流して凍結を防ぐ方法:
少量の水(チョロチョロ出る程度)を出しっぱなしにすることで、常に水を流動させて凍結を防ぎます。水道使用量が増加しエコでは無くなります。

②保温材を配管に巻く方法:
保温材等の断熱材で保温する方法。長期間の保温は難しいです。

③ヒーターを使用する方法:
電気代がかかる事と管の材質によっては損傷を与える恐れがある懸念があります。

④配管内の水を取り除く方法:
凍害の原因である配管内の水を無くすことで解決する凍害対策としては最適な方法です。
排水管内の水を取り除くことができる水栓金具を『寒冷地仕様』と呼びます。

~寒冷地仕様の水栓金具の水抜きについて~
寒冷地用水栓金具は水栓金具単独で凍結を防止する機能は有しておりません。
水栓を取り付ける建物が水抜き配管設備を装備していない場合は、寒冷地仕様の製品をご採用いただいても凍結を防止する効果が得られませんので、
水栓金具と別途併せてご検討ください。

寒冷地用の水栓金具とは、上記設備が備わっている建物で設置することを前提に、
屋内配管の水抜き操作(地中の配管を開放して水を捨てる)を行った後に、所定の操作(水栓のハンドルを開くなど)を行う事で水栓内部の水が抜けて、
屋内配管に空気を取り入れる事ができる、配管の水抜きを阻害しない構造の製品となっています。

水抜き配管設備の構造(イメージ)
水抜き配管設備の構造(イメージ)

寒冷地でも安心な「寒冷地仕様水栓」

ARC-X(アークエックス)は、寒冷地環境下でも安心してご利用いただける商品をご用意しています。

寒冷地仕様の商品紹介

B018 洗面用混合水栓 シングルレバー(ARC-X)
幅の広いレバーは握りやすく、絹のような滑らかな動きと豊かな操作性を存分に感じられます。まさに、スマートに水をコントロールできる実用的な一台です。

水栓高さ:157mm
吐水口長さ:102mm
取付径:φ35(+2、-1)mm
泡沫吐水
認定情報:JWWA認証品
メーカー:GROHE

B018 納材事例

【ARC-Xについて】
洗面・水栓・浴槽などの水まわり商品の販売をおこなうオンラインショップ「ARC-X(アークエックス)」(https://arcx-shop.com/
人気の高い人工大理石商品をはじめとしたミニマルなデザインの商品を多く取り揃えており、 商材ごとに一貫した基本造形を選択することで、

統一感のある空間をつくることが可能です。

2.凍害にならないためのタイル選び

タイルに入り込んだ水が凍ったり、解けたりと膨張を繰り返すことで、タイルが徐々に損傷してしまうというのがタイルにおける凍害のメカニズムです。
浴室が0度以下になり凍害の恐れがある環境では、吸水率が低いタイルを選定する必要があります。
吸水率が低いタイルは高温で焼成しており吸水がわずかなため、凍害に強いと考えられています。
カタログのピクト表示が以下の商品を、お選びいただくことをお勧めしています。

浴室壁タイルの場合

カタログのピクト表示例
カタログのピクト表示例
浴室壁 〇 素肌がタイル表面に触れても安全な面状で水回りに適した材質の商品
耐凍害 〇 吸水率が低くタイルの凍結が起こりにくい材質の商品
(ダイナワンではJIS規定に基づく試験を行い、耐凍害性基準に合格したタイルに「耐凍害」の〇を記載しています)

浴室床タイルの場合

カタログのピクト表示例
カタログのピクト表示例
浴室床 〇 水濡れした床を素足で歩行しても比較的安全な防滑性を備えた面状の商品
耐凍害 〇 吸水率が低くタイルの凍結が起こりにくい材質の商品

さらに深く知りたい方は、浴室・大浴場のタイル選定で気を付けること(床編)の記事もあわせてご覧ください。

浴室におすすめの耐凍害タイル

COLORS(カラーズ)スカイ
COLORS(カラーズ)スカイ

COLORS(カラーズ)
ハンドクラフトブリックの多様なニュアンスを表現し48×450mmのサイズが斬新的でモダンなロングボーダー。
2024年発売の新商品です。

LEGACY(レガシー)グリーン、ホワイト

LEGACY(レガシー)
釉薬の重ね掛けや窯変のアーティスティックな表情が特徴のレガシー。個性的でユニークな輝きを持ち、ボリューム、奥行き感が際立ちます。

そのほかの「浴室・耐凍害タイル」はカタログにてご覧いただけます。

耐凍害タイルについて

耐凍害性には以下の試験方法を用いております。凍ったり、解けたりを100回繰り返す環境を作って、凍害に耐えられるかを判定しています。



【耐凍害性タイルの試験方法】
最初に清水中で自然吸水させたタイルを凍結状態と散水で融解させた状態とを100回繰り返します (気中凍結気中融解法)。タイルの表面および裏面並びに端部に、ひび割れ、素地または釉薬のはがれなどの欠点が生じていないか目視観察します。凍害を受ける恐れのある場所に使用するタイルに適用されます。

次回以降の記事では、耐凍害をもっと深堀りして、一般的には知られていない「耐凍害性タイルの歴史から開発秘話」や、
タイルの専門家から見た「教科書通りではない、商品の選び方」などについて発信させていただく予定です。

3.まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は寒冷地仕様の給水設備や、凍害トラブルにならないような浴室タイルの選び方についてご紹介させていただきました。

また、今回の記事でご紹介した内容に限らず、タイルに関してのお悩み・お困りごとがございましたら、
ダイナワン営業担当者または下記のフォームまで、お問合せをお待ちしております。

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