話題の物件紹介! -渋谷PARCO- の魅力に迫る!! 2020. 03. 26

2019年11月22日、約3年にわたる建て替え工事に伴う休業を経てグランドオープンした渋谷PARCO。1973年にオープンして以来、渋谷の発展の一端を担ってきた同施設が、新たに生まれ変わって戻ってきました。

この渋谷PARCOに、弊社の商品を多数ご採用いただきました。

今回は、開発コンセプトからどのように素材を選定していったのかという話題を中心に実際にデザインされた方のお話を伺い、渋谷PARCOの魅力をお届けします。共用部やトイレの多くにタイルを選んでくださった理由としては、意匠がマッチしたことに加えて機能面でタイルが安心できる素材であったことも決め手となったようです。

開発コンセプトは「唯一無二の”次世代型商業施設”」

来店客のニーズを満たすのではなく、ニーズを創造し、新しい消費提案・価値観を提供し、世界へ発信する「唯一無二の”次世代型商業施設”」をコンセプトに、世代や性別を問わず、感性で消費をする世界中のお客様に足を運んでもらえるような空間を意識して設計された。これまでの商業施設の枠を超え、デザイナー・クリエイターなどと共感・共創し、新たな取組を行うことで新しい刺激や楽しさの体験価値を提案し、グローバルに情報発信するビルを目指す。

共用部の素材選び

各フロア個性的あふれる魅力的なテナントを引き立たせるために、環境デザインでは 「シンプル」「上質」をキーワードに素材を選択した。素材のテクスチャーを大事にし、石や磁器タイル、モルタル、フローリングなどをフロアのイメージに合わせて配置している。

例えば6階ジャパンカルチャーフロアは、各テナントの世界観を引き立たせるためオーセンティックな空間を目指し、床材には「SONARAⅡ(ソナラⅡ)」を選定した。7階レストランフロアでは、照度を落とした落ち着いた空間とし、商材としては「ETERNITY(エタニティ)」を選んだ。

結果的に選んだタイルで多かった素材がモルタル調タイルであった。

6F 共用部 SONARAⅡ

7F 共用部 ETERNITY

各階トイレのコンセプトと素材選びの工夫

体験価値」を重視する渋谷PARCOは、各フロアのトイレでも異なるデザインを用いて非日常的空間を提供し、「リフレッシュ」「リラックス」「高揚感」を感じさせる、印象度の高いレストルームとなっている。

例えば地下1階フロアのトイレは、「BEAT」をテーマにデザインされている。UHAスピーカーをモチーフに採用した、大きな凹凸がある「Magical 3(マジカル 3)」タイルや、歩くと光が揺れ動く壁材を当て込みリズム感を醸し出す。

また2階のトイレのテーマは「RUNWAY」で、”ファッションを楽しむ”トイレがコンセプト。トイレに続く通路にはテーマ通りランウェーを作り、トイレ内に入ると女優ミラーが出現する。まるで自分がモデルになったかのような感覚を味わえるような仕掛けがされている。渋谷PARCOがオシャレを楽しむ場となり、オシャレをした自分が主役であるかのような高揚感を与えられることを期待している。

5階のベビー休憩室では、木目調タイルWOOD CHOICE(ウッドチョイス)」を貼ることで、全体的に温かみのある空間とし、気持ちを落ち着かせる効果を狙っている。このフロアは、他にもイスラム教徒の方のための祈祷室を設けており、機能面を充実させた。

パルコ文化発信の核:PARCO劇場について

1973年の開場以来、演劇を中心に自主プロデュース作品を上演し、多くの観客、演劇人に愛されてきたPARCO劇場。渋谷PARCO建替えによる休館までに約1200の作品を上演し、数多くの話題作も生まれた。新生PARCO劇場でも多彩な作品の上演が予定されており、旧劇場のステージとの一体感もそのままに今年1月に復活した。親密な空間で、迫力の臨場感を楽しめるプレミアムシアター。
そんなPARCO劇場の正面と、劇場まで続く通路の壁一面を彩るのが「IBUSHI TILE(イブシタイル)」と「MINI&BORDER(ミニアンドボーダー)」のイブシMIX。のニュアンスが強い燻を、ボーダーMIXで貼ることによってポップな雰囲気も醸し出す。

PARCO劇場正面入り口の様子
劇場内を上から見た様子
PARCO劇場内 右の壁一面にIBUSHIが貼られている

また同8階には、パルコが手掛ける“来場すること自体がイベントとなるミニシアター”「WHITE CINE QUINTO(ホワイトシネクイント)」が開業。“WHITE”には、新しい発見、可能性、才能、楽しみ方、そして無限に広がる無垢な場所という意味が込められている。渋谷ロフト横の「シネクイント」との2館体制で、ジャンル問わず国内外の個性的で良質な作品を上映。そんな"WHITE"な空間の床に当て込められたのは、「SONARAⅡ(ソナラⅡ)」のボーン。コンセプトをより引き出す素材となっている。

WHITE CINE QUINTOの手前通路
SONARA Ⅱのホワイトが床面に貼られている

リアルとテクノロジーの融合を実現

渋谷PARCOの注目要素の一つに、テクノロジー活用がある。中でも5階のオムニチャネル型店舗「PARCO CUBE」では、接客などリアルな売場でのアナログなアプローチと、潤沢な在庫をもつECサービスを融合し、リアル店舗ならではの体験価値をつくり出している。従来の約半分の売場面積で出店する11店舗は、店頭の商品だけでなく店内や共用部の大型サイネージやタブレットを用いてEC在庫から商品を探せる。画面のQRコードをお客様のスマートフォンで読み取ることで商品データを転送し、その後はスマートフォンで購入することができる。

売場内の中央通路に導入されている㈱パルコスペースシステムズにより新開発された床面映像演出「Root F」は、マッピング映像とセンシング技術を活用し、人の動きに追従して変化する。画一的になりがちな床面を演出することで、より豊かで変化のある空間になっている。売場と人々が一体となることで新たな買物体験を提供し、今までにない施設として記憶に残る価値を生み出している。

「PARCO CUBE」

また5階の吹き抜けスペースや外通路では、AR技術を活用した3Dクリエイティブコンテンツを、スマートフォンを通して、あたかもその場に存在するかのような楽しめる空間演出を展開。

更に、館内7か所に多言語対応のAI音声認識インフォメーションシステムを導入するなど、渋谷PARCOでは最新のテクノロジーが活用されている。

XRデザイナー・Discont氏によるデザインインスタレーション

Calit×ステレオテニスによる3Dアートワーク

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